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これも一つの進化? [日常の些細なこと]

ある会話。
A子:「ねぇ、この帽子 よくなくない?」
B子:「よくなくない?」

これは 文字にしてみた場合、少なくとも会話になっていない。
A子がその帽子をいいと言っているのか、悪いと言っているのか、(多分この場合
いいと言っているのだと思うが)それはともかく、少なくともA子の疑問文に対しては
B子としては、「いい」か「悪い」かを答えるべきだと思う。
現場に居合わせれば、声のニュアンスや表情などで 二人の真意は分かるかもしれない。
でも、あくまでそれは 二人の憶測であって、現に表現される言葉から分かることではない。

あるいは、よく話題になる「~になります」とか「~のほう」「~だったんですが」という言葉、
気になり始めるとやたらと耳についてくるのだけれど、いざ自分も口をついて出てしまい、
びっくりすることもある。
先日、オリンピックに出場する選手のインタビューで、調子はどうですか?と聞かれて、
「全然」と言ったので、瞬間的にあぁだめなんだなぁと思ったら、
「全然 順位を狙えるタイムが出ているので・・」と続いたのには驚いた。
私はこのとき、画面を見ていなくて音だけ聞いていたので、テレビに出ていた文字を
見ていればそう思わなかったかもしれない。
学校では <全然>という言葉の後には 否定の言葉が続く、と習ったはずだが、
最近の使われ方では、<全然>の後に否定の言葉は来ないのが普通らしい。
どうも「全然~ない」、という言い方がひどくきつい言い方に聞こえるらしい。
では最近の<全然>がどういう使われ方なのか、「まぁまぁ」という意味なのか、
「ものすごく」という意味なのか、それはよく分からない。

とにかく、最近の言葉の使われ方としては、限定的な、はっきりした表現を出来るだけ避け、
あいまいに流せる表現が好まれるのだそうだ。はっきりさせないことが大事らしい。
それは、この複雑怪奇な世の中での人間関係の形成のために必要な知恵らしい。
これは言葉が進化しているのかもしれないし、日本人が進化しているのかもしれない。
いまや文明の進化で、朝から晩まで一言もしゃべらなくても生活できることも多いし、
関係あるのかないのか、少子化も進み続けている。
日本人は「ない」という方向に進み続けている気がする。


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